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裁判の傍聴へ行く、2

  28, 2009 01:34
弁護人が言った。

まずはじめに、入ってきたとき泣いていましたか?
なぜ、泣いていたんですか?


たしかに被告人が入って来たとき、
泣いている様子が見て取れた。

この裁判はもうすでに判決は出ており、
被告人による控訴があったのだが、
その控訴の内容は通常とは「逆」のそれだった。

罪状は
『承諾殺人、殺人』

心中を望んでいた妻を殺し、
知的障害があり、2、3歳程度の知能と診断されていた27歳の長男を殺した。

自らもその後自殺を図ったが死にきれずに通報。
求刑は10年。
判決は7年。

被告人の控訴は
7年の刑は軽すぎる、死刑にして欲しい
というもの。


あたしはどうしても、役者として彼らの姿を見てしまう。
目が離せなくなってしまった。
明らかに背負っているものがあった。
彼自身が失くした家族、その家族への愛。


あたしは来月
「娘を誘拐された母親」。
娘への愛なしには決して演じることのできない役だ。


とても生きていくことは、考えられません


蚊の鳴くような小さな声がそう言った。


あたしたちはそのまま裁判所をあとにした。


控訴は棄却。


情状酌量の余地は充分にあり、
初犯で、更正の可能性も高い。

当然の結果ではあった。

しかし、
それは、裁判中に何度も出てきた、「生きて償う」とは違い、
「生きるということが最大の罰」だと
あたしは思った。

すべてが本当のこと。

人間が持つ深い深い渦がそこにあった。


ストーリーではない、業のようなもの。

あたしたちに、これを超えることはできない。
それをわかったうえで、
超えるしかない。


超えるしかないのだ。


自宅に帰ったら、あたしは泥のように眠ってしまった。

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